日本の神社には鳥居の周辺や境内、もしくは参道にのぼり旗が立てかけられています。
これは何の目的かわからないという人も少なくありません。
神宮に掲げられている旗は、非常に大きなものが多く、存在感があることから
目印のために掲げられていることが多いです。
参拝に来る人の目印や道しるべになることはもちろんのこと、神様に対しての目印や
道しるべにもなっていることを多くの人は知りません。
神様が神宮に降臨する際に道に迷わないようにおとの思いで、巨大な旗を掲げるわけです。
これは町中に見る店舗や歌舞伎座、大相撲の国技館前に抱えられているのぼり旗とは大違いです。
こうした町中にあるのぼり旗のほとんどは、販売促進活動のために立てかけられているものです。
しかし神宮の旗は、こうした営利目的では掲げられてはいません。
そのため旗を極端に目立たせたり、注意喚起を促す必要もないのです。
それゆえ神宮にあるのぼりの多くは非常にシンプルなデザインになっているのがお分かりいただけるでしょう。
白地に黒の墨のようもので漢字で文字が書かれている程度です。
そして神社の重厚さや荘厳さを演出するため、非常に丈夫で重みのある綿素材の布で製作されています。
神社のぼりは先にも述べたように、最も神様がその神宮に降臨しやすいようにするための
道しるべのために立てかけられています。それと同時に近隣や参拝に来る人のための目印や
道しるべになっているのも言うまでもありません。
それと同時に神社のぼりは祈願の依代として立てかけられることもあります。
人の心霊の依代にも神社のぼりはなるのです。
そして奉納のしるしとしても神社の母里は掲げられます。
神社の修繕費や維持管理費、お祭りの開催費用など奉納した人への
感謝の証として掲げられることも多いです。
それゆえのぼりには奉納した人の名前が印刷されていることもあります。
神社のぼりの目的を知ると、また神宮に参拝した際には違った角度で
そののぼりを見ることが出来て大変面白いでしょう。
さらには、神宮のこうしたのぼりは、町中にあるのぼり旗とはサイズが全く異なります。
できるだけ大きくということが重視されるんです。
それは神様にここに神宮があることをアピールしなければならず、
どの旗よりも目立つために大きくしなければなりません。
それゆえ一番大きなのぼりとなると全長20m前後にものぼるものもあるのです。
そして参道には左右にシンメトリーになるように旗を作らなければなりません。